劇団すごろく6月公演「おそばに参上」観劇感想・奥森紗倉

初めまして。
今回へんすてメンバーさんと一緒に観劇させて頂きました、奥森紗倉と申します。
楽しかったすごろくさんのお芝居の感想を僭越ながらコチラのブログに投稿させていただきます。

2017年6月25日の日曜日。楽しみにしていた「劇団すごろく」さんのお芝居に行ってきました!
演目は「おそばに参上」。タイトルだけでもどんなお話なのか興味をそそられますよね。
今回は、一部の役者さんが舞台ごとに演じる役を交換するシャッフルキャストということで、
おそばにちなんで「きつねチーム」と「たぬきチーム」の二チームがありましたが、
千秋楽のたぬきチームを観させていただきました♪
すごろくさんのお芝居は、たくさん笑えてぽろっと泣けて、心がほんわり温かくなる人情味に溢れていますが、
今回もそんなすごろくさんらしさを堪能できるお芝居でした。
脚本を書かれたのは、団員さんでもある加藤朗史さん。
へんすてにいただいた音源でも、
「すごろくは分かりやすいエンターテインメントを目指している」とおっしゃっていましたが、
本当にとっても分かりやすいお話でした。
屋台のおそば屋さん「八十屋」で、師匠の甚八について修行中のそば職人、小平太。
ある日、お客の一人である文蔵が、腰を悪くして、もうおそばを食べにこられないことを知ります。
江戸っ子気質で、いつも小平太のお店のおそばを「まあまあだな」としか言ってくれないけど、
そのおそばを食べるのをとっても楽しみにしている文蔵のために、小平太は文蔵の家までおそばを届けることにします。
まだおそば屋さんの出前なんかない時代、おそばを担いで長い道のりを疾走する小平太の姿は人目を引き、瓦版にも載ってたちまち大騒ぎに。新しい商売としてはじめたわけではないけれど、他のお客さんからも出前の注文を頼まれてしまったら、断るわけにもいきません。小平太は師匠と相談し、出前を続けることにします。
ところが、そんな小平太の出前を心良く思わないのが、そば屋「唐変木」の主人とその家族たち。商売敵に新しい商売をはじめられては、うちにお客が来なくなってしまう、と八十屋に乗り込みますが、八十屋の常連客から「お客がこないのはあんたのところのそばが美味しくないからだ」と反撃され、加えて煙草を吸っていることを指摘され、旗色が悪いと店に引き返します。
何とか八十屋の出前をやめさせて、商売敵の評判を落としたい唐変木の主人は、三人の娘たちを使って、小平太の出前を邪魔させます。朴念仁の小平太は、長女お梅の色仕掛けには全く無反応でしたが、三女さくらの子供らしさ全開の泣き落としにまんまと引っかかり、出前の約束の時間に大幅に遅れてしまいます。おまけにさくらにおそばを食べられたり、唐辛子をたっぷり振りかけられたり…。当然、出前を頼んだお客はかんかん、お店の客足は一気に落ちてしまいます。
師匠の甚八は、文蔵さんには申し訳なく思うけれど、他のお客さんに迷惑がかかることになるから、もう出前はやめようと小平太に言います。店の主人としての甚八の決断は小平太にも重く響きますが、せめて文蔵さんのところの出前だけは続けさせてほしいと食い下がります。
文蔵は小平太が料理人として成長するための転機を与えてくれた恩人でした。いつかあの人にうまいと言ってもらうことが、自分の目標の一つなのだ、と。それを聞いた甚八は、小平太の気持ちを汲んで、文蔵のところへ出前に行くことを許します。
しかし、小平太が出前に出かけたあと、常連客の一人から前日のハプニングが唐変木の家族たちによって仕組まれたものだったと知らせを受けた甚八は、小平太が今日も出前をしている姿を唐変木の人間に見られたら、どんなことをされるか分からない、と慌てて小平太の後を追いかけ、常連客達もまた、贔屓の店の料理人の危機だと、甚八の後を付いていきます。
同じころ、小平太がまだ出前を続けていること知り、逆上した唐変木の主人と家族たちもまた、小平太を追っていました。途中で小平太を行かせたい常連客たちと、行かせたくない唐変木の家族たちの、こぶしとこぶしの大乱闘がありつつ、乱闘から抜け出した小平太を、唐変木の主人が追いかけ、何と包丁で切りつけます。
わき腹に傷を負って倒れた小平太。そこへ師匠の甚八が駆けつけ、間一髪、唐変木の主人から包丁を取り上げ、主人の料理人としての驕りを諭します。小平太の「包丁をそんなことに使っちゃいけないよ」という言葉に、がっくりと項垂れる主人。小平太は、甚八に後を任せ、ぼろぼろになりながらも文蔵の家へおそばを届けます。
小平太が怪我をしているのに驚き、医者を呼ぼうとする文蔵と妻のおゆき。しかし、小平太はそばの味が落ちてしまうから、先にそばを食べてくれ、と言います。小平太の思いを受けて、そばを口にした文蔵は「いつも通りだ」と言ったあと、「いつも通り、うまい」と口にします。その言葉を聞いて、「やっぱりおれは、お客さんが美味しそうにそばを食べるのをみるのが大好きなんだ」と小平太、そのままがっくりと意識を失ってしまいます。
翌日、小平太の状態を心配する常連客たちに、「それが…思いの他…」と甚八。悪い想像をして耳をふさぐ常連客たちの前に、出前姿の小平太が現れます。思いの他傷が浅かったことにみんな安心しますが、それでも傷が痛を負ったことに変わりはなく。大丈夫と言って四股を踏んだ後、顔をしかめる小平太に、暫く出前は止めたらとみんな口々にいいますが、小平太は明るく笑って出かけて行きます。そんな小平太を見守る師匠の甚八の顔も、どこか嬉しそう。
一方、唐変木の主人も心機一転性根を入れ替え、家族に自分のそばを試食させつつ、腕を磨き直しはじめました。
文蔵の家へ、今日もおそばを届けに走る小平太は高らかに叫びます。「今日もあなたのおそばに参上!!」

以上、あらすじをざっくりと。
この中に爆笑もののアドリブたっぷり、その舞台だけのハプニングあり、おそばの神様(?)的な湯掛けおじさんや熱血飛脚や個性的な方言と顔の長屋の住人などなど強烈なキャラクターあり、お楽しみ要素てんこ盛りな内容でした!
主人公の仕事に対する情熱や、料理人としての誇り、師匠との絆などがストレートに伝わってきて、とっても熱い気持ちにもなりましたよ!
あと、見終わったあと、おそばが食べたーい!!ってなりましたwww一緒に見に行ったみなさんと、迷うことなくおそば屋さんで夕ご飯食べました。美味しかったです~!
次回の秋公演もぜひ観に行きたいと思います。劇団すごろくさん、楽しい時間をありがとうございました!!
以上、奥森紗倉が書かせていただきました。

write by  奥森紗倉